

JABEE対応教育プログラム「建設工学」
JABEE認定により,大学など高等教育機関で実施されている技術者教育プログラムが,社会の要求水準を満たしているかどうかが公平に評価されます。
高知高専専攻科の建設工学専攻を修了し,大学評価・学位授与機構の定めた要件を満たし学士の学位を得た者は,建設工学部門における技術士の資格取得に際し,1次試験が免除され,修習技術者として4年間の技術士補または実務修習プログラムを経た後,技術士への最終関門である第2次試験を受験できることとなります。
JABEEホームページの「JABEEホームページ 認定プログラム一覧」に本校のプログラムも掲載されています。
2018年度に継続審査を受審し,「建設工学(土木及び関連の工学分野)」の認定プログラムとして認定(認定証)されました。この認定は,2018年度修了生からの適用で,2018年4月1日〜2024年3月31日の6年間です。
JABEE対応教育プログラム「建設工学」の概要 |
| 建設工学は,自然との調和を保ちながら,国土の保全・開発・環境整備など,私たちの社会生活の基盤およびその機能を発展させる工学です。環境・防災・情報を考慮でき,幅広い思考ができ技術の一層の複合化・高度化・国際化などに対応できる想像力溢れる実践的な総合建設技術者の育成が切望されています。 本教育プログラムの基盤となる本科建設システム工学科(平成8年度に土木工学科から改組)は高知高専設立後4年後に設置された学科です。平成12年度には専攻科が設置され,本教育プログラムの母体となる建設工学専攻がその活動を開始しました。平成20年度には,下記の学習・教育到達目標の詳細に示す「建設工学の専門的基礎知識を理解すること」に対応して,4・5年生での土木系・建築系選択科目制を導入しました。特に,建築系選択科目と構造力学を建築系指定科目として,それらの修得により二級建築士受験資格が卒業時に取得できるよう,高知県の認定を受けました。さらに,平成21年度には,建設システム工学科を環境都市デザイン工学科へ名称変更し,土木・建築融合学科となった。 本科・専攻科において,多くの優秀な人材を社会に送り出してきました。特に,高知県内の公務員・企業等への就職は高知高専の他学科・他専攻に比べてかなり多くなっています。これまで,学生や企業等の社会の要望に応えるべく,数次にわたり教育課程の改訂や施設設備の整備充実を行い,積極的に教育内容の向上を図ってきました。 高知高専本科は5年間一貫教育のもとに実践的技術者教育を行うという特色ある教育プログラムをもっています。また,専攻科はこの特色を生かした上に創造力,研究開発能力の育成を目指しており,本科・専攻科を合わせた継ぎ目のない7年一貫教育プログラムとなっています。 |
育成しようとする技術者像 |
| 環境都市デザイン工学科と建設工学専攻の7年一環教育で育成される技術者像は,次の5項目を備えた技術者です。 (1)充実した基礎学力を持ち,問題に自ら立ち向かっていく積極的な行動力をもった技術者 (2)豊かな表現力,創造力及び指導力を発揮でき,問題設定力,判断力,実行力,チーム力などを備えた技術者 (3)地域の問題を理解し,さらに地球全体を視野に入れて環境を総合的に配慮でき,エンジニアリングデザイン能力を有する技術者 (4)何事にも協調性をもって取り組むことができ,国際的適応力及びマネジメント能力をもった技術者 (5)高い倫理感に基づいた規範をもって行動し,社会的責任を果たすことができる技術者 |
学習・教育到達目標 |
| JABEE認定教育プログラム「建設工学」は,プログラム修了時点の修了生が確実に身につけておくべき知識・能力として,学習・教育到達目標*01を設定しています。この学習・教育到達目標を達成できるように設計されたカリキュラムをもとに,7年一貫・早期・実践教育を基本とする技術者教育を行います。 これらの学習・教育到達目標は,高知高専の教育方針,建設システム工学科の教育方針,専攻科並びに建設工学専攻の教育方針をもとに,「育成しようとする技術者像」に照らして,プログラム修了者がその修了時において身につけるべき学習・教育到達目標として設定したものです。本校の創設以来の校是である「風格の高い人間・技術者の養成」を目標の第1に掲げ,高専の特色である早期一貫教育,実践的技術者教育という方針のもとに将来のエンジニアとしての基礎となる能力の修得を本科の主目標とし,それらを社会・地域のニーズに対応して応用・展開する能力や国際化に対応し得る能力の修得を専攻科の主目標として掲げています。 本教育プログラムの学習・教育到達目標とJABEE基準1(2)との対応を(表1)*02に示します。さらに,教育目標と科目関連図(表1別表)*03に本教育プログラムの履修科目とJABEE基準1(2)との対応が示されています。 |
| *01(図1)学習・教育到達目標の詳細 *02(表1)学習・教育到達目標とJABEE基準1(2)との対応 *03(表1別表)教育到達目標と科目関連図(平成31-32年度専攻科入学生用) *03(表1別表)教育到達目標と科目関連図(平成26-30年度専攻科入学生用)
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履修対象者 |
| 本校専攻科(建設工学専攻)への入学*04者全員が原則として本教育プログラム履修者となります。ただし,本校の建設システム工学科以外の高等教育機関等からの入学者に対しては,以下の資格審査と支援を行い,専攻科修了生全員を本教育プログラム修了者とするための教育を行います。 (1)該当する入学生が卒業した高等教育機関のカリキュラムとシラバスを高知高専本科のものと比較・照査して,本教育プログラムの学習・教育目標の評価に必要な修得単位との対応関係と学習保証時間を審査して,その達成レベルを評価します。 (2)必要に応じて,面接,小テスト,口頭試問などにより各学習・教育目標の達成レベルを確認し,本科の授業科目の受講やその他の補講等を行い,達成基準に到達できるよう支援します。 上記の資格審査と支援の結果、該当する入学生が修了要件1を満足するか否かの判定は,建設工学専攻会議において厳正に行います。 |
| *04(リンク)建設工学専攻のアドミッションポリシー
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履修科目 |
| 本教育プログラムの各学習・教育到達目標に基づく授業科目*05を,図2に示します。本教育プログラムは学習・教育到達目標に対するカリキュラム設計方針*06により構築されています。そのほかに,本科一般科目の教育課程*07,本科環境都市デザイン工学科の教育課程*08,専攻科建設工学専攻の教育課程*09に履修科目が示されています。本科4・5年と専攻科1・2年で,学習・教育到達目標を達成するために必要な授業科目の流れ*10を,表5に示します。履修登録については,*11の様式を用います。 |
| *05(図2)各学習・教育到達目標に基づく授業科目(平成31-32年度専攻科入学生用) *05(図2)各学習・教育到達目標に基づく授業科目(平成26-30年度専攻科入学生用) *06(表3)学習・教育到達目標に対するカリキュラム設計方針の説明 *07(リンク)本科一般科目の教育課程 *08(リンク)本科環境都市デザイン工学科の教育課程 *09(リンク)専攻科建設工学専攻の教育課程 *10(表4)学習・教育到達目標を達成するために必要な授業科目の流れ(平成31‐32年度専攻科入学生用) *10(表4)学習・教育到達目標を達成するために必要な授業科目の流れ(平成26-30年度専攻科入学生用) *11 履修者登録願 |
評価基準と評価方法 |
| 本教育プログラムの学習・教育到達目標の達成度は,表2の評価方法と評価基準*12により評価されます。また,本教育プログラムの履修科目とJABEE基準1(2)との対応は先の表1別表*03に示されています。 |
| *12(表2)学習・教育到達目標と評価方法および評価基準(平成31-32年度専攻科入学生用)
*12(表2)学習・教育到達目標と評価方法および評価基準(平成26-30年度専攻科入学生用)
*03(表1別表)教育目標と科目関連図(前掲載) |
修了要件 |
| 本教育プログラムの修了要件は次の4項目です。「高知高専の建設システム工学科を卒業後,建設工学専攻に入学(この時点でプログラム履修生として登録される),同専攻を修了して,大学評価・学位授与機構から学位を授与される」ことにより,全ての学習・教育目標を達成できるように設計されています。 (1)建設システム工学科を卒業していること 他の高等教育機関等からの専攻科入学生の場合は、高知高専建設システム工学科卒業に相当すると認定されること (2)建設工学専攻を修了していること (3)学士(工学)の学位(大学評価・学位授与機構による)を取得していること
本教育プログラムの修了判定は,建設工学専攻会議において行なわれ,教務委員会で承認されます。 履修生自身が学習・教育到達目標の到達度を確認するために達成度点検表*13を用意しています。 |
| *13 達成度点検表 |
教育組織と教育改善 |
| 本教育プログラムを実施するための教育組織とその改善方法について下記の項目に示します。 |
| #01 (リンク)FDのための組織体系:アクティブラーニング教育センターHPメニューからFD組織を参照 #02 教員間ネットワーク #03 (リンク)教育改善システム:アクティブラーニング教育センターのHP
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JABEE対応教育プログラム「建設工学」履修の手引き |
| 本教育プログラムの履修生のために履修の手引き*14を作成しています。 この手引き,資格試験の情報やシラバスを含む学習のための資料は,全学生へ貸与*15している携帯情報端末用のアプリケーションHandout*16からいつでも確認できるようにしています。 |
| *14 JABEE対応教育プログラム「建設工学」履修の手引き(平成30年度入学生用) *14 JABEE対応教育プログラム「建設工学」履修の手引き(平成29年度入学生用) *14 JABEE対応教育プログラム「建設工学」履修の手引き(平成28年度入学生用) *14 JABEE対応教育プログラム「建設工学」履修の手引き(平成27年度入学生用) *14 JABEE対応教育プログラム「建設工学」履修の手引き(平成26年度入学生用) *15(リンク)自己成長力を加速するICT活用教育 *16(リンク)Hnadout |
建設工学プログラム点検表 |
| 本教育プログラムのこれまでの実施状況について下記の項目に示します。 |
| #17 建設工学プログラム点検表(平成24-29年度) |
更新履歴 |
| 2018/05/14:更新(学習・教育到達目標、履修科目、評価基準と評価方法、修了要件、教育組織と教育改善、JABEE対応教育プログラム「建設工学」履修の手引きを2018年度改定基準に対応しました。) 2013/06/18:更新(継続審査の結果を掲載しました。)
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JABEE旧基準(2010年度改定基準)で認定された「建設工学教育プログラム」はリンク先に掲載しています。